社内でのキャリアアップによって従業員ファーストをサポートするための3つの方法

社内でのキャリアアップによって従業員ファーストをサポートするための3つの方法 

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2020年はパンデミックによってもたらされた激動の年になりました。その1年が過ぎた今、従業員は疲れ果て(※1)、雇用主は魅力ある従業員ファーストの体験を提供する新しい方法を探しています。The Conference Board(※2)が行った最近の調査によると、米国の労働者の60%が心の健康(特にストレスと燃え尽き症候群)を職場での一番の心配に挙げています。こうしたストレスの増大によって、企業は従業員がどこか別の場所に新しいチャンスを求めて組織を去るリスクに直面しています。

Achievers Workforce Institute(※3)の最近の調査によると、調査を行った被雇用者の半数以上(52%)が2021年内の転職活動を予定し、2020年の35%から上昇しています。同じ調査では、今の仕事に「とても積極的に取り組んでいる」と答えた人はわずか21%に止まりました。さらにPrudential Financial(※4)のデータから、2021年内に転職活動を行うと答えた人のうち、今の職場に留まるとすればその一番の誘因が「異動の機会」であることがわかっています。キャリアアップと異動を奨励する文化の醸成によって、組織はエンプロイーエンゲージメントの向上と人材の定着を図ることができ、その結果、人材の俊敏性も高まります。キャリアアップをサポートする3つの方法をこれからご紹介します。

 

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プロモーションと横異動

キャリアアップの機会を考える場合に従業員が最初に思い浮かべるであろう選択肢はプロモーションです(今の会社か別の会社かはともかく)。プロモーションによって収入と身分が上がり、社内のプロモーションの場合はおそらく組織内での存在感と責任、評価が高まります。ですが役割を変え、その過程でスキルを磨く方法がもう一つあります。横異動です。

横異動はプロモーションとは違って昇給と昇格を伴わないこともありますが、同様に成長の機会であり、組織にとっても本人にとってもさまざまなメリットがあります。組織がポジションだけに注意を払うことを止め、(本人がその職務明細にフィットしてくれることを期待しつつ)スキルに優先的に取り組むようになると職位の重要性は低下します。幅広いスキルあるいは耐久性のあるスキルを持つ従業員は組織での価値が高まります。需要のある持ち運びできるスキルの習得に役立つ異動が良い異動と言えそうです。

2020年のLinkedInの調査データ(※5)によると、入社後3年以内に横異動した場合は会社に長期的に留まる確率が62%、反対にプロモーションか横異動かを問わず社内での職務変更がなかった場合はこの確率が45%に下がっています。

横異動は新しいスキルを習得し、新しい職責や課題に挑戦する機会になることからエンプロイーエンゲージメントの向上につながります。その結果、ビジネスニーズや需要のあるスキルが変化する中でも従業員のスキルセットが陳腐化することがなくなります。また社内のさまざまな部署がどのように機能しているのか知ることもでき、その結果、異動前のポジションで感じていたかもしれない退屈さや燃え尽きを克服する手助けになります。

プロモーションではなく、横異動の時も多くの従業員は社内の採用プロセスを経て適性を判断される必要があります。新しい役割への登用はそれまでの役割で成功し、新しい職責を担えると信頼された証であり、組織での地位が高まります。横異動によっても、存在感を増し、それまでは関わってこなかったかもしれない仲間と関係性を築く機会が得られます。社外にキャリア機会を見つけるのではなく、自分の長期目標に合致した新しいキャリアパスを切り拓く手助けになります。

組織の立場から見れば、横異動のサポートはビジネス的にも有意義です。ニーズや優先課題が変化した時に組織内のより需要の高い領域に従業員が異動することによってビジネスアジリティが高まります。その結果、エンプロイーエンゲージメントや人材の定着率が高まり、組織のナレッジを維持し、採用・オンボーディングコストを抑えることができます。

 

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クロスファンクションのチームプロジェクト、挑戦的プロジェクト

プロモーションや横異動のように完全に新しい役割に移る代わりに、プロジェクトベースの仕事によっても社内での存在感を高め、キャリアアップする機会になります。私たちはパンデミックから多くの教訓を得ましたが、組織も従業員も、即座に方向転換し、厳格な職務明細の枠を超えて新しい責任を負うことができる大切さに気付かされました。

ブログ(※6)で、わずか1週間で50ページの新しい安全ガイドラインマニュアルを作成し、現場チームに配布しなければならなかったある会社の事例をご紹介しました。このプロジェクトを任されたコーポレートコミュニケーションチームはプロジェクトマネージャーのほか、コーポレートコミュニケーションチーム外のライター、グラフィックデザイン経験者をかき集め、マニュアルを無事完成させました。このプロジェクトが証明しているのはビジネスニーズの変化に組織が速やかに適応できたということだけでなく、プロジェクトが現在のチーム外の人と働き、新しいスキルを身につける機会になったということです。

さらに、プロジェクトベースのキャリア開発は柔軟な働き方の選択肢を求める従業員の要望に応えることにもなります。コロナ禍で従業員は仕事とプライベートの役割のバランス調整に苦心し、多くの企業が柔軟な働き方の選択肢を検討する、あるいは可能な場合は実際に導入することになりました。

パンデミック以降に実際にプロジェクトベースの仕事を取り入れたのがアウトドアウェアを販売するPatagonia(※7)です。過去にも事業所内託児所を導入していますが、これを一時的に閉鎖する時にどのような支援が必要か従業員アンケートを行いました。その結果、子育て中の従業員から挙がったのがアシンクロナス・ワーキング(非同期な働き方)です。例えば、プライベートの役割の方が時間指定が厳しいのであれば、タイトな期限付きの日常的職責ではなく長期プロジェクトにスイッチします。

 

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社内ネットワーキング

新しい役割やプロジェクトベースの仕事を引き受ける機会が必ずあるわけではありませんので、そのような場合に知識やスキルセットを継続的に広げる方法の一つが社内ネットワーキングです。役割、部署、ビジネスユニットの垣根を越えた人脈作りを促すことはキャリアアップに有益であるだけでなく、組織にとってもアイデアの共有、インサイトの獲得、新しい方法での問題解決をもっと効果的に進められるようになります。

リモートワーク・ハイブリッドワーク環境の広がりは、ネットワーキングに関して特有の課題や機会を生み出しました。従来のオフィス環境ではおそらくなかったものです。オフィスでは当たり前の自然なネットワーキングは一部の従業員にとっては選択肢にないかもしれませんが、バーチャルネットワーキングならむしろこの状況にならなければ出会えなかったであろう仲間とつながることができます。今や多くの企業に当てはまりますが、リモート勤務者がいて、世界中に散らばっているのであれば、社内ネットワーキングはつながりや一体感の醸成に有効です。

社内ネットワークは長期的なエンゲージメントや人材の定着にも影響します。Personnel Psychology(※8)に掲載されたある研究によると、強い社内ネットワークを持つ人は2年間、組織に留まる確率が高く、反対に社外に強いネットワークを持つ人は社外の機会を選んで組織を去る確率が高まります。社内ネットワーキングによる有意義な人脈の構築には、組織の中にメンターを見つけ、所属チーム外の役割やプロジェクトを知り、従来の職務明細の枠を超えて会社に貢献するといったさまざまなメリットがあります。

 

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人の導きとテクノロジーによってキャリアアップを支援

組織で成長とキャリア開発の機会を提供するには、本人任せでは不十分です。randstad risesmartが行った最近のグローバルスキリング調査(※9)によると、 従業員が自分で最善の選択をしてスキルを習得し、自分のキャリア目標を達成できると十分確信していると回答したHRリーダーは全体のわずか9%でした。

 

従業員ファーストの体験を提供し、長期的な人材の俊敏性を備えるには、人による指導と効果的なテクノロジーの組み合わせが必要です。人の指導があれば、詳細な業界知識を持ち、キャリア開発、スキル習得、ネットワーキングの最新ベストプラクティスを知るキャリアコーチから専門的サポートを受けることができます。これと適したテクノロジーを組み合わせることによって、労働市場データ、スキル習得コース、ネットワーキングツール、面接ガイドといったリソースにアクセスできます。社内異動を目指す時も、プロジェクトベースの仕事を通じてスキルを伸ばす時も、ネットワーキングスキルを磨く時も、人間味とテクノロジーの活用を両立させたアプローチなら成功に向けて土台を築くことができます。

 

本記事は、ランスタッド本社配信の記事を再編集の上掲載しています。

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[参考]

 

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