常習的な欠勤にみられる4つの主な原因と対処方法2

常習的な欠勤(勤怠不良)にみられる4つの主な原因と対処方法

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業種や組織の規模、性質を問わず、ビジネスの成功の鍵は常に「人」です。

顧客に製品やサービスを提供し、常に競合他社の一歩先を行き、業界内の最新動向や課題、機会に通じるためには、信頼できる優秀な人材が必要です。

だからこそ、雇用主にとって常習的に欠勤することに対する問題解決は常に優先課題の一つに挙がります。従業員の予定外の欠勤(年次有給休暇や公休以外)は組織運営上避けられないことですが、常習的な欠勤が次第に度を超え、生産性のリスク(英語サイト)になり始める兆候を見極める必要があります。

Integrated Benefits Institute(英語サイト)の調査によると、雇用主が被っている常習的な欠勤を原因とする生産性の損失は、米国だけで年間5,300億ドル(4,320億ユーロ)に上り、英国では欠勤による経済コストが2030年までに260億ポンド(287億ユーロ)(約3兆7,838億円)*1に達すると指摘されています。

この問題に関する理解を深め、自社にどの程度の影響が及んでいるのかを知る1つの方法は、常習欠勤の主な理由をまず考えてみること。そうすれば、実状に合った効果的な策を練ることができます。

 

身体的なケガ・不調

欠勤理由の大部分は何らかの身体の不調(一般的には病気やケガなど)です。咳や風邪、季節性インフルエンザが流行しやすい冬の時期は、特に雇用主にとって深刻な問題になります。

米国疾病対策予防センター(CDC)によると、米国では5大慢性疾患またはリスク要因に関連する欠勤によって、雇用主に年間364億ドル(272億ユーロ)の損失が生じています。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 喫煙
  • 運動不足
  • 肥満 

新型コロナウイルス感染症(英語サイト)のパンデミックは、病気が労働力に壊滅的な影響を与えることを証明した極端な事例です。EUでは欧州で最初の新型コロナウイルス感染者が確認された2020年第1四半期の欠勤者が2,230万人に達し、前四半期の1,850万人を上回りました。2020年第2四半期はさらに倍近い4,090万人へと増加し、雇用主にとって欠勤が人事上の大きな問題に発展する事態に至りました。

従業員の健康維持に積極的に取り組むことは、従業員個人にメリットがあるだけでなく、組織の成長や活性化(英語サイト)にも有益です。例えば次のような対策を検討するとよいでしょう。

  • 徒歩通勤、自転車通勤を促すために奨励制度やゲーミフィケーション(英語)を取り入れる
  • デスクワーク中心の職種の従業員に定期的な休憩を取って立ち上がったり、歩き回ったりを促す
  • 世界禁煙デー(英語サイト)など、健康意識を高めるための記念日やイベントを宣伝する 
  • ヘルシーな軽食、間食を無料提供する

メンタルヘルスの問題

体調不良が予定外欠勤の唯一の正当な理由とみなされた時代は遠い昔。昨今は、きちんと出勤するのはもちろん、きちんと仕事をするためには体の健康と同様、心の健康も大切という認識が広がっています。

CDCは、メンタルヘルス障害を「米国で最も重大な健康問題の一つ」としています。2016年には成人のおよそ5人に1人(英語サイト)が何らかの心の不調を訴えています。

英国のメンタルヘルス財団によると、労働者の15%(およそ6人に1人) (英語サイト)が職場で心の健康問題を経験しています。この調査では、従業員に対するメンタルヘルスサポートを強化することによって英国企業が最大で年間80億ポンド(87億ユーロ)(約1兆1,333億円)の損失を防げる可能性があるとも指摘されています。

では雇用主としてこの問題の重要性を認識し、従業員の心の健康を保つためにどのような対応ができるでしょうか。

最初のステップとして、まずは、このテーマについての偏見をなくし、必要な時には同僚や上司に助けを求めてよいと背中を押すために、率直、正直に話し合う場を設けましょう。ワークショップやセミナー、オンライン資料などメンタルヘルスに関するリソースの提供も従業員に対する価値ある助けや支援になります。

定期的な運動や正しい食生活など、体の健康維持を促すことも心の健康維持に効果的です。

従業員にメンタルヘルスのリソースを提供したり、何らかの支援を行うための費用は、多くの場合、常習欠勤の減少という形で回収できます。さらに、体調不良の状態で出勤し、生産性が低下する疾病就業(英語サイト)の問題も同時に軽減できます。

 

いじめ・嫌がらせ

職場内でいじめや嫌がらせの問題が発生した場合は、常習欠勤率も平均を上回っている可能性があります。これらの問題に直面すると、ストレスや不安から仕事を休みがちになるからです。

残念なことに、いじめや嫌がらせは極めて一般的な問題です。2019年に公表されたMonster.comの調査によると、回答者のおよそ94%(英語サイト)が職場でのいじめを経験しています。2008年は75%でした。回答者の半数以上(51%)が、いじめの加害者は上司やマネージャーであると申告している事実は、多くの人にとって一番の驚きかもしれません。

これは明らかに人事部門の介入のもと、慎重な検討と強い対応を要する問題です。この場合の対応策をいくつかご紹介します。

  • いじめや嫌がらせとみなされる行為、そうした行為が認められた場合の処分を規定したポリシーを策定する
  • いじめや嫌がらせの事態や懸念を完全に内密に通報するための経路や手段を設ける
  • 通報や苦情の申し立てを受けた場合に必ず従う、期限を含めた明確な調査手順を決める
  • いじめ・嫌がらせ防止ポリシーを定期的に見直し、フィードバックを求め、目的に合致していることを確認する

 

転職活動

従業員の予定外欠勤のもう一つのよくある理由は、転職先の面接や選考を受けるけれども年次有給休暇を消化してしまいたくない場合です。転職先探しや履歴書、応募書類を作成するための時間を作りたいので病気を理由に欠勤することもあります。

このケースについても明確なポリシーを定める必要があります。会社として認める欠勤理由を明確にし、従業員に周知します。

雇用主の中には通常の就業時間中に転職先の面接を受けてもかまわないという考え方もあるかもしれません。この場合は離職率の上昇という問題が持ち上がるおそれがあり、その一方で従業員を信頼し、仕事の進め方に一定の自由とコントロール権を与えることによって仕事に対する満足度が高まり、そもそも転職しようと思わなくなる可能性もあります。

常習欠勤率の高さに苦戦し、その裏に転職活動が疑われる場合、それは採用方法や従業員エンゲージメントを見直す必要性を示すサインかもしれません。

ランスタッドは、常習的な欠勤に関する問題の詳しい説明と対処方法を簡潔にまとめた資料を作成しました。ぜひご覧ください。

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*1 1ユーロ=130.27円にて換算

 

 

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