なぜ人はやめるのか、そしてそれを止める方法 【離職率の改善①】

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企業にとって人材の流出は大きな問題です。優秀な人材が退職し、欠員補充のコスト負担や競合他社に転職される恐れもあります。価値ある従業員に定着してもらうにはどうしたらいいでしょうか?

その場合、従業員の満足度や組織への忠誠心を維持するための明確な戦略を立てることは非常に有益です。

定着に必要となる積極的で、組織に献身的な人員態勢を整えるためのいくつかの重要ステップをご紹介します。

 

何が満足度要因なのかに注目する

人が働く一番の理由は賃金を得ることかもしれません。ですが仕事に対する満足度は金銭以上に大きな意味があります。前向きで積極的な従業員が職場の印象をどう感じるかを左右する要因は、職場での関係性やキャリアアップの機会に至るまでさまざまなものがあります。

ランスタッド ノースアメリカの最高人材責任者ジム・リンクは、現代の労働者の期待は常に変化すると指摘しています。人手不足が続く労働市場を背景に、「雇用主は従業員の声にしっかり耳を傾けるべき」と話します。

「給与や有給休暇は、常に企業の魅力やエンゲージメント(愛社精神・思い入れ)、従業員の長期就業に影響を与える要因ですが、それだけでなく、目に見えないメリットや職場での日常的な体験の重要性が増しています。精神面、金銭、ライフスタイルなどすべての価値観が満たされなければ、従業員はいとも簡単に別の会社での就業機会を見つけようとします」

 

採用前にギャップを埋める

思い描いていた職場環境や仕事内容と違った場合、人は転職しようという意向が高まります。入社後に活躍していただけそうな人材なのか、よく見極めましょう。応募者のスキルや経験だけを評価して採用するのではなく、あなたの会社にフィットする人材かどうかというのも重要なポイントなのです。実際に就業する環境を事前に見てもらう、一緒に働くことになるであろうメンバーと話す機会を設けるのもいいかも知れません。

また、いくらスキルや経験があったとしても、仕事の進め方は会社ごとにも違いがあります。仕事の進め方や裁量についてなど、お互いによく確認しあうことで、入社後に「こんなに難しい仕事だとは思わなかった」、それとは逆に、やりがい不足を感じるなどのギャップが起こる可能性は低くなるでしょう。

 

 

離職の原因を探り改善・フォローする

とは言え、どれだけ採用前に確認をしたとしても、実際に働き始めるとギャップを感じることは出てくるでしょう。例えば、工場でマシンオペレーターとして就業したときに、一人で操作してみると思っていたよりも難しかったり、実際に組み立て作業を担当したら、作業台が低くて腰が痛い、など想定外の状況が発生することがあります。

そんなときに、「事前に確認をしたはず」とおざなりにせずに、新規採用者の声に耳を傾けましょう。数日一緒に作業に入る、作業台を実際に少し高くしてみる、ちょっとした改善により離職を防ぎ長く働いてもらうことに繋がります。

現場の意見を聞き、離職する理由から改善を図っていく事は非常に重要です。これが柔軟にできていれば優秀な人材は定着します。

また、残念ながら、一緒に仕事をしてみたらどうしても気が合わない人がいる、ということも起こり得るでしょう。直属の上長であったりメンター制度など社内で相談できる存在がいればベストですが、難しい場合もあります。新規採用者自身が社内の人には相談しにくい、ということもあるでしょう。そんな時には、人事コンサルタントをや人材サービスの会社など、外部の力に頼るのも一つの手段です。

 

定期的なフィードバックを行う

優れた成果を出したり、チームプロジェクトの成功に貢献したチームメンバーを称える行為は、努力が認められ、高く評価されていることを周囲に示すものであり、つまり次も頑張る、またはもっと頑張る後押しになります。

こういったフィードバックは、上記のようにプロジェクトを成功させた時や大きな仕事をこなした後だけにやるのではなく、日常的に実施することが大切です。One on Oneなどで、個々のチームメンバーに的確なフィードバックを定期的にするよう努力しているマネージャーは、前向きで互いにやりがいのある職場環境を築き、全体的な生産性を向上させるうえで大きな役割を果たしています。

その仕事に難しさを感じていたり、あるいはミスをしてしまった時のマネージャーからの建設的なコメントも、(少なくとも)同じくらい重要です。前向きで元気づけるようなフィードバックは、困難に直面したチームメンバーが自信を保ち、将来に再びミスを繰り返さないための支えになります。

 

柔軟であること

企業にとって柔軟性は日常の業務運営や効率化の点からだけでなく、働き方について従業員自身である程度コントロールする権利を与えるという意味でも、ますます重要です。

これもまた若手従業員にとって特に重要な観点です。ですが柔軟な働き方は、高齢の家族の介護など、仕事以外でもやるべきことが増えるベテラン従業員を含めすべての年代にメリットがあります。

ランスタッドが実施しているエンプロイヤーブランド・リサーチ(英語サイト)では、柔軟な働き方は求職者の会社選びの基準トップ10にランクインし、有能なマネジメント、十分な教育研修、所在地などのそれ以外の項目よりも上位に入りました。ランスタッドジャパンの調査でも同様に、柔軟な勤務体系はトップ10にランクインしています。

 

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勤務先としての企業の魅力度(エンプロイヤーブランド)を高める

「勤務先として魅力ある企業(エンプロイヤーブランド)」は、自社が何を標榜し、現在と将来の従業員にどんなことを提供できるかを示す手段として、極めて重要です。

強力なブランドの構築に向けた最も重要なステップの一つが、組織として何を標榜するかを明確にすること。例えば、倫理的・社会的問題に対する見解は、利益とは別に、あなたの会社が何を大切にし、優先課題と考えているのかを示すことができます。また、組織感を持たせていくこと。自分の利益のためにだけに働く職場ではなく、「誰かのために働ける環境であること」は人事戦略上、大変重要な要素であると言えるでしょう。

次回は、離職を回避するにはどうしたらよいかを見ていきます。

 

人材流出を防ぎ、離職率を抑えるには?【離職率の改善②】 次回へ▶️

 

<出典>
本コラムは、ランスタッドのオリジナルコラム(英語版/English Ver.)「employee turnover why people leave and how to stop it.」に加筆・修正した内容となります。
 

 

 

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