長引く自粛を乗り切る2つの工夫【ランスタッド法人ブログWorkforceBiz】

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昨年4月から5月の緊急事態宣言から、もうすぐ1年ですね。

今さえ我慢すればという希望が日々遠のいて、感染の広がりもけた違い、不安が広まっていることは否めないですね。

自分自身の管理が今ほど大切な時はないかもしれません。在宅勤務と出社とのリズムがようやくつかめた方々もいますが、我慢に我慢を重ねてきたストレスが体を蝕みだしてきている人も出てきました。

実際、自殺者数は20代・40代が2020年は2019年の2倍となり、女性では仕事と育児ストレスが要因ともいわれています。

ストレスはストレス氷山と言われ、自分で気づいているストレスの違和感や症状は2~3割。氷山は海水に出ている表面は2~3割。海水に埋もれている部分が7~8割と言われていますので、それに例えられています。怖いのは気付いていない7~8割が、ある日、ポコッと表面化した時に心筋梗塞や脳梗塞などの大きな病を引き起こしてしまう機会があることです。

怖いことばかり書いてしまいましたが、私はストレスマネジメントの専門家ですので、日常に取り入れやすい対処方法を今回お伝えしたいと思います。

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ストレスという概念を専門家は対処しやすいように2つに分けます。[ストレス反応]と[ストレス原因]です。ストレス反応はストレス原因と自分の受け止め方が掛け算となり、表れます。

ストレス反応=ストレス原因×受け止め方

ストレス反応は

「心」不安、焦り

「体」怠さ、動悸、頭痛、肩こり

「行動」仕事でのミス、食べ過ぎ、アルコールに頼り過ぎる

などです。

要するに、ストレス反応を少なくする為には、自分の力で減らせるだけストレスの原因を減らす事と、ストレスの受け止め方を「あれもこれも大変だ」という認識から「少し大丈夫かもしれない」という受け止め方に変えるように積極的に介入する事をおすすめします。「ストレスで辛いのに・・」と思うかもしれませんが、病気の治療でもそうですがストレスケアはやはり積極的に関わらないと悪化してしまうのです。

例えば虫歯になって、歯磨きをさぼってしまったら悪化しますが、歯科医に行って治療して日常歯磨きに注意していたら良くなるのと同じです。

では、どうストレスの受け止め方を変えていくか。

まず1つはオキシトシンを積極的に出しましょう!オキシトシンは愛情ホルモンと呼ばれ、‘見つめる‘‘触れ合う‘‘語り合う‘事で高まると言われています。

米国の「Science」という雑誌に掲載された、犬と人間に関するオキシトシン研究のリサーチによると、犬と人間を、実験のため、同じ部屋にいてもらい、オキシトシンの量に変化があるかを調べたところ、飼い主は愛犬であれば撫でたり、「お利口さんにしてね」など目を見ながら伝えます。30分後、犬と飼い主の様子からオキシトシンが高まった事がわかります。更に、オキシトシンを注射した犬は飼い主に今まで以上に体をこすりつけたり、アイコンタクトが増えたのです。

目を見て安心する事。心を許した人の声掛けにより、更に人は安心します。更に、背中をさすってもらうなど、プラスされたら、多分相談するだけでも力が湧いてくると思います。自分が心地よいと思う人やペットなどとぜひ触れ合って下さい。愛情ホルモンが高まり、ストレスの受け皿である気持ちの余裕が生まれて、同じストレス要因があったとしてもストレスを考えてしまう事をブロックしてくれます。

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もう1つのストレス対処は、ストレスだと思われる原因に考えが行くと、ぐるぐる同じことを考え続けて苦しくなるため、別の作業をして気を紛らわせたりして、注意を別のところに向けることです。ストレス原因の根本解決はなかなか難しいですが、気分を紛らわす事も大切なストレスケアなのです。

1970年ごろに米スタンフォード大学の心理学者ウォルター・ミシェル氏が行った「マシュマロ実験」をご存じでしょうか?

子供にマシュマロを与え「15分食べるのを我慢できればもう1個あげる」と言って部屋を出る、という実験です。最後まで我慢して2個目のマシュマロをゲットできた子は全体の3分の1ほどでしたが、その子たちの多くは、髪の毛を触ったり、マシュマロを見ないようにしたり、数を数えてマシュマロのことを考えないようにしたりして、ストレスフルな状態から意識をそらしていました。注意の方向を変える知恵が、ストレスへの対処法となっていたのです。

 

まとめると、オキシトシンを高めるように心地よい人や物、動物などと触れ合う事、そしてストレス原因を考えすぎずに自分の注意の矛先を変えるだけで心にゆとりが出るのです。

この2点が簡単で効果のあるストレスマネジメントです。是非試してみて、長引くコロナストレスを乗り切ってください。ストレスの原因は根が深く、解体できないことが多いのが現実ですね。原因に考えを巡らすより、自分の受け止め方を変える。この2つの技を身につけ、ストレス反応を最小限にしていく事が得策なのです。

 

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■ランスタッド クライアントソリューション 組織開発 ディレクター  川西由美子

クライアントソリューション組織開発とは、お客様の組織開発改革の課題に対して産業組織心理学からのアプローチを用いて良い職場を目指し具体的なソリューションを紹介する部門です。
組織心理学、臨床心理学の専門家が所属して、講演会、コンサルテーション、カウンセリングを行います。
ベトナム、インドネシアなど、海外拠点の組織開発や、人財育成にも従事しています。

「お客様の困りごと例」
1.リーダーや、管理者の責任意識や、行動力が不足している、
2.ティームの歩調が揃わず心がバラバラ
3.営業力、創造力が足りない
4.若手が育たず、定着せず、ベテランのモチベーションも下がった
5.職場全員で、安全を守ろうとしたり、品質の改善に対し、やらされている感が強い

上記のような問題をいち早く解決するための、クライアントソリューション 組織開発では人財教育プログラム開発し、オリジナルプログラムを提供します。

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【著者プロフィール】 川西由美子

フィンランドの、Lyhytterapiainstituuttiにてヨーロッパを中心に世界25カ国に広まりを見せる組織活性化技法の指導者資格を取得。組織心理学、臨床心理学が専門。
 
ランスタッド クライアントソリューション 組織開発 ディレクターとして、国家機関、地方自治体、企業、病院などで、産業競争力を高める組織改革や、人財育成の技法を広めている。著書多数。
 
2020年10月には、ドイツ語圏、組織心理分野amazon売り上げ一位のリーダーシップに関する本を、編集訳出版予定。川西の著書は、ベトナム情報通信省や、インドネシアでも出版され、ベトナムの大学や、企業、インドネシアの企業でも教育活動をおこなっている。
 
●日本規格協会、品質月間講師
●日本科学技術連盟 講師
●東日本大震災後、第一原発爆発に伴う福島県南相馬市民のメンタルヘルスケアに従事
(厚生労働省委託事業として、2012〜2015)

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