[最新人材採用動向]いま注力すべき3つのトレンドを押さえた人材採用

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いつの時代でもどのような景気状況にあったとしても、採用担当者は、優秀な人材の獲得には頭を悩ますものです。そんな時に押さえておきたい、人材採用戦略の3つのトレンドをご紹介します。

どの企業についても、優秀な人材を見いだすことは事業継続に関わる業務です。ところが環境が変化したり業界が活気づいたりすると、ある日突然、優秀な人材を集めることが難しくなり、人事戦略の重要性が高まります。企業が優れた人材を採用するにあたっては、他社に先んじるための採用手法が今まで以上に必要となります。人材獲得戦略の最新の動向とスキルを採り入れなければ、他社に後れをとりかねません。採用担当者としてもトレンドを見極めた採用スキルと従業員を惹きつける戦略を考えていく必要があるでしょう。

人材採用の動向を全社的な戦略の一部に組み込むことは、今まで以上に重要になりました。人材獲得で成功を収めているITや小売といった企業の多くは、人事部門の閉鎖性を改め、他社との差別化を図る必要性を認識しています。あなたの会社はどうでしょうか?人事採用業務における、3つの注目すべきトレンドを以下に紹介します。

 

1. 採用担当者のエモーショナルインテリジェンス(心の知能)を高める

人工知能(AI)は数多くの部門の業務にとって代わる可能性がありますが、人事採用部門に限ってはそうではありません。実際、人事部門のプロフェッショナルが利用できる業務自動化の機能やサービスは増えている一方で、人の感情への洞察力に優れた採用担当者へのニーズも急激に伸びています。テクノロジーは応募者のエクスペリエンスに付加価値をもたらしますが、人としての共感力に勝るものはありません。経営層は、採用プロセスが自社の「人間的側面」から離れていくことによって優秀な人材を逃してしまうことを、かつてないほど憂慮しています。その結果、人間同士のやりとりを増やし、エモーショナルインテリジェンス(心の知能)を示すことが、明らかな採用トレンドとなっています。

では、エモーショナルインテリジェンスとは何でしょう?それは、自身の感情を良識をもって理解し、コントロールし、相手に伝える能力です。「フォーブス」誌の記事によれば、今日の採用活動の問題点の多くは、採用スタッフの業務が多すぎるために、直観的洞察や応募者の全体的な印象から判断するのではなく、スキル重視の採用に陥っていることです。長い目で見れば、「採用担当者の対人スキルを伸ばし、エモーショナルインテリジェンスを高めること」こそが、人材獲得競争で先んじる必須条件なのです。

今後はあらゆる企業が、同じ採用ソフトウェアやAIテクノロジーを利用するようになるでしょう。そうした状況で競争力を維持する唯一の方法は、採用プロセスの中でも、対人スキルが高く、共感力のある採用担当者がかかわる部分を強化することです。求職者の82%は、求人情報検索が自動化されすぎてイライラすることが多いと回答しています。採用プロセスに人間味を取り入れることは、有望な戦略といえます。

 

 

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2. 従業員エクスペリエンス(従業員がその会社に所属することで得られる体験)の向上で差別化を図る

競合他社と自社を差別化することが重要なのは、顧客との関係においてだけではありません。実際、従業員のエンゲージメントと満足度は極めて重要な要素であり、企業によっては全従業員を挙げて、従業員エクスペリエンス(従業員がその会社に所属することで得られる体験)への対応にあたっています。つまり、あなたの会社が従業員を常に幸福にする何らかの方法を試みていなければ、すでに他社に対して後れをとっていることになるのです。

従業員の帰属意識を高めることに重きを置く会社は増えているようですが、ジョンソン&ジョンソン社はさらに一歩進んで、応募者一人ひとりを、すでにファミリーの一員であるかのようにサポートしています。同社に応募した求職者は、24時間いつでもプラットフォームにログインし、宅配便の追跡サービスのように、自身の応募書類がどの審査段階まで進んでいるか確認することができます。

差別化によるメリットに重点をおくことを選んだ企業は、なんとなくそうしたわけではないのです。これはデータが証明しています。勤務先の福利厚生に満足している従業員の71%が、会社へのロイヤリティ(忠誠心・帰属意識)を感じると答えています。また、Glassdoor(グラスドア)(英語サイト)が実施した調査では、求職者の60%が、企業からの採用申し入れを受けるかどうか決める際に福利厚生を考慮すると答えています。また調査対象者の80%が、昇給よりも福利厚生の拡充を重視すると回答しました。人材獲得にあたり、あなたの会社は他との差別化をどう図りますか?応募の段階から大切にされていないと求職者が感じれば、従業員のエクスペリエンス(従業員がその会社に所属することで得られる体験)を重視している他社とあなたの会社を比較するのは当然のことでしょう。

 

 

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3. 全社的な目標を視野に入れた人材獲得戦略

世界各国の企業経営陣は、人材獲得を全社的な事業戦略にシームレスに組み込む必要性を理解しつつあります。実際、あるレポートでは企業のリーダーの78%が、「採用戦略の目的は、業績で目に見える成果を上げることだ」と答えています。従来の人事部門は、経営層やその考えるところとは離れた領域で人事だけに特化した業務のやり方で進めていましたが、今では全社的な目標を視野に入れた人材戦略の策定・実施をしています。採用担当者は、人材募集にあたって自社に新たに付加すべき価値についての話し合いを検討することができますし、またそうすべきです。低コストで人材を獲得するだけが採用業務ではないのです。

数多くの企業では「センターオブエクセレンス(人材やノウハウ、ツールなどを集約した横断組織)」を創設するようになり、そこでは社内の優れた人材が集まって人材獲得・管理に取り組んでいます。人事部門は各部門のマネージャーと戦略的関係を構築し、優先課題と戦略との整合性を図っていく必要があります。最良の人材獲得戦略とは、単に人事部門と経営陣とを結びつけることではありません。会社全体に利益をもたらす具体的なKPI(Key performance indicator:重要業績評価指標)を設定し、明確な戦略を策定することです。

 


優秀な人材を獲得する業務は、時代と共に更にその重要性は高くなります。自動化が飛躍的に進み、テクノロジー競争が激化する社会においては、現在の動向に目を配ることが極めて重要でしょう。ミレニアル世代の候補者はワークライフ・バランスを求め、各社固有の福利厚生を昇給よりも重視しています。エモーショナルインテリジェンスや、他社と差別化可能な福利厚生、首尾一貫した人事戦略があれば、あなたの会社が優れた人材を獲得できる見通しは良好でしょう。

 

<出典>

本コラムは、ランスタッドのオリジナルコラム「3 trends impacting your talent attraction strategy.」に加筆・修正した内容となります。

 

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