在宅勤務(テレワーク)を効率的にマネジメントするための4つのヒント

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アメリカで新型コロナウイルスの感染拡大が確認された頃、万一の感染を防ぐためとして、最初に大多数の従業員に在宅勤務を命じたのは大手ハイテク企業が中心でした。

Oracle、Twitter、Apple、Google、Microsoft、そしてAmazonなどが代表例です。しかし、それ以降、アメリカでは感染者数が急速に増え続け、「ソーシャルディスタンス」と「シェルター・イン・プレイス」(屋内避難勧告)が新たな常識となるなど、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、リモートワークに関する大規模で前例のない試みが始まったのです。2020年4月の段階ですでに米国の死亡者数は4千人、感染者数は20万人をそれぞれ突破し、リモートワークもいつまで続くのか、終りが見えない状況でした。

そして現在、自宅で仕事をすることは特別なことではなく、むしろ必然とも言える状況になっています。多くの組織では、この新たな現実に何とか対応はしたものの、コロナ以前は、世界の企業の半分近くが「在宅勤務は認めません、以上」というスタンスでした。そのためもあってか、在宅勤務が定着しつつある中でも、マネジメントに四苦八苦している企業も多くあるようです。もし、あなたの会社もその悩みを抱えているのなら、次の4つのヒントに重点的に取り組むことで、突然分散化を余儀なくされたチームを、より効果的にマネジメントすることができるでしょう。

 

1、毎日の予定に「チェックイン(軽い打合せ)」を入れる

リモートワーク(テレワーク)で分散化したチームをうまく機能させるには、「チェックイン」と呼ばれる、ちょっとした打ち合わせを毎日行うことが欠かせません。その理由は少なくとも三つあります。

  • チェックインによって、目標達成に向けてチーム内の足並みを揃え、責任の所在をはっきりさせることができます。
  • 日々のチェックインで、チームメンバー同士のコミュニケーションを日常化することにより、より円滑な意思の疎通を図り、ともに働いているという意識を強くします。
  • 毎日のチェックインは、リモートワーカーの5人に1人が感じていると言われる孤独感や孤立感を防ぐ、重要な手だてとなります。

まずはチーム全体のカレンダーにスケジュールを入れましょう。15分もあれば十分です。日々のチェックインを利用して、目標に対する進捗状況を見極め、ボトルネックを見つけ出し、必要に応じて各メンバーの仕事量を調整します。いつでもフィードバックが可能な状態を維持しましょう。チェックインを始めるときには、ぜひアイスブレイクやちょっとした冗談を取り入れてみてください。より場が和むことでしょう。

 

2、無料のコラボレーションツールを活用する

コミュニケーションツールやコラボレーションツールを効果的に利用できるかどうかは、リモートワークの生産性に直接的な影響を与えます。幸い、コロナ危機に際して、世界中で急増するリモートワーカーたちが連携を維持し、感染者数が頭打ちになるまで安全にステイホームができるよう、多くのIT企業が無料のサービスを提供しています。すでに活用している企業も多いと思いますが、あらためてご紹介します。

  • Googleは、2020年7月1日まで、G SuiteおよびG Suite for Educationの利用者に対し、会議録画機能を含め、通常であれば「Enterpriseエディション」のユーザー専用のビデオ会議機能を無料で提供しています(2020年9月末まで延長)。*1
  • 一方、Microsoftは、Microsoft Teamsのプレミアムバージョンを6カ月間無料で試用できるサービスを提供しています。*1

さらに、リアルタイムのコラボレーションプラットフォームのみを探しているなら、Slackを利用することができます。無料版でも、かなり本格的な機能が使えます。または、仕事にかかった時間を記録したり、いつ行動すべきかをチームメンバーに知らせたり、進捗状況を報告したりするには、無料版のTrelloを利用するとよいでしょう。いずれにせよ、今日からこうした優秀なツールを使い始めない理由はありません。何といっても無料ですから。

 

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3、プロセスではなく結果にフォーカスする

結局のところ、会社の方針でリモートワーク(テレワーク)にシフトしたチームでは、マネジメントの手法がどのようなものであっても、生産性が実に13%も向上するとことが研究によっても示されています。なぜでしょうか?その答えは、働く側は、自宅のほうが快適だと感じる傾向にあるからです。また、休憩を取る回数も少なくなります。

例えば、あなたがアジャイル型組織のマネジメントをしているとしましょう。その特徴は、プロセスや最終的な結果ではなく、その時々での最適な結果が出ているかどうかにフォーカスする点にあります。したがって、こと細かにあれこれとマネジメントをする必要はありません。つまり、目標と結果にフォーカスして欲しいということです。

この“脱オフィス”の期間を、実験、テスト、そして反復の機会と捉えましょう。何がうまくいき、何がうまくいかないのか、そして今後どうしたら改善できるのかを考えてみてください。

 

4、適切なテクノロジーで従業員をパワーアップする

あなたのチームは、目標に向かって前進し続けるために、どのようなソフトウェアを必要としていますか? チーム全員が適切なハードウェアを使用していますか?

こうした質問は基本的なものかもしれませんが、リモートワーク(テレワーク)でのチーム体制において考慮すべき基本的な技術上の問題は、驚くほどたくさんあります。たとえば、少し前ではありますが、ランスタッドの調査によると、従業員の3分の1以上(35%)は、在宅勤務を効果的に行うために必要なテクノロジーを雇用主から提供されていないと感じています。

いつまで在宅勤務が続くのか、制度としてこのまま定着していくのか、会社によって方針が別れつつあります。しかし、昨今の情勢を見る限り、在宅勤務という制度が、完全に無くなる日は来ないと言えるのではないでしょうか。したがって、チームの各メンバーの状況を今すぐ調査し、各々が効果的に仕事をすることができるよう、適切なテクノロジーを提供できるよう備えておくことが大切になってきます。

 

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覚えておくべき重要なポイント

アメリカでは、コロナウイルスが発生するかなり前から、在宅勤務者の割合が上昇し始めていました。実際、その数は過去15年間で約3倍に増加しています。しかし、コロナ禍で進行したような規模でリモートワーク(テレワーク)が拡大したことは、いまだかつてありませんでした。信頼性の高い統計はまだ出ていませんが、現在アメリカで働く社会人の大半は、何らかアジャイル型組織の下でマネジメントされていると考えるのが妥当だと思われます。

もちろん、このような大きな変化は、時とともに徐々に学習されていきます。重要なのは、その学びから、ビジネスの価値を創出することです。上記の4つのヒントにフォーカスすることにより、チーム全員の安全と健康を守るという役割を果たしながら、生産性を急激に高めることができるでしょう。

 

*1 2020年9月時点での情報です。
 
 
<出典>
本コラムは、ランスタッドのオリジナルコラム
「4 tips to make your remote workforce more efficient.」に加筆・修正した内容となります。

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