下げ止まりから回復へ。産業全体の活性が物流と輸送を押し上げ
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特に下げ幅が大きかった自動車産業と宿泊・飲食サービス産業はここにきて顕著な回復が見られます。
下支えとなっているひとつは、政府の経済対策と言えるでしょう。
現在展開されているGo To トラベルなどの「Go Toキャンぺーン」(トラベル、イート、商店街)には、全体で1兆6794億円もの補正予算が割り当てられており、Go To トラベルの利用者は10月15日までの利用が約3,138万人泊、割引支援額が約1,397億円に上っています(観光庁10/30速報値)。
人員不足傾向が続く非製造業。秋以降は人手不足再燃の可能性も。
では「雇用」にまつわる動きはどうでしょう。
雇用人員判断DI指数では、9業種中7業種が7月以降改善傾向にあります。またサービス・飲食、卸売り、小売り、運輸・郵便などの「非製造関連」と自動車、金属製品、汎用機械などからなる「製造関連」の大別をしてみると、製造業に過剰感が残る一方で、非製造業では実は不足が続いています。もともとの構造的な労働力不足は未解決ですから、一時的な需要の減少で採用を見合わせた職場では、急激な状況の変化に対応できない可能性が生じます。
近年、特に深刻な「人手不足」が続いていた業種を見てみましょう。最も不足感の強かったサービス・飲食業は、コロナ化で甚大な影響を受けた業種のひとつです。急激な市況の変化により大幅な人員過剰となりました。最近では、ウィズコロナを見据えたビジネスモデルの変化も見られ「コロナ前」への回帰は予測が難しい状況です。
一方、同じく不足が続く物流業、運輸業では早いスピードで人手不足が懸念されます。
長期にわたり労働力不足が続いたことで、担い手となる人材が市場にそもそも少ないこと。リモートワークやビジネスモデルの変容が短期では難しいことなども影響しています。
このまま例年繁忙を迎える年末年始へ突入すれば、より深刻な「不足」が起こるかもしれません。
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上グラフは、当社が独自に実施した「新型コロナウイルス企業影響度調査」から採用回復時期についての回答結果です。
全体の25％の企業は、採用回復を2020年10月～12月と見込んでいます。
採用が「回復する」とは、裏返せばコロナ禍にあっては採用の縮小や見合わせをしていた企業が多いということが言え、コロナ禍前よりも現場の人数が減っている、コントロールしている、という例が少なくありません。
人員体制に余裕が無い、というのが多く職場に見られる傾向です。
社会経済活動が再開する中で「今現在」の需要に応えるだけであれば、今の人員体制でも問題ありません。ただ、一時的や突発的に発生する年末繁忙の需要に対し、十分な供給力を発揮する事は難しいのではないでしょうか。
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【筆者紹介】
船橋⽀店 ⽀店⻑
2007年転職を機にドライバー派遣に出会う。2008年アイライン⼊社
以後、千葉、船橋での営業を経て、さいたま、船橋⽀店の⽀店⻑を歴任。
ドライバー派遣、SPOT派遣、物流、製造と幅広い経験あり︕