オファーレターを出す前に確認したい社風とのフィット感

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内定者はオファーレターを承諾するにあたって、企業のホームページやSNSなどさまざまなメディアからの情報に基づき、自分がその組織になじめるかどうかをまず確認しています。

社風には、日常のビジネスの進め方やその会社が標榜する姿勢が表れます。各個人が社風をどう考えるかはともかく、企業が以前にも増して社風に意識を注いでいることは間違いありません。コロンビア大学の調査によると、社風が魅力的な企業の離職率がわずか13.9%であるのに対して、それほど魅力的ではない企業の平均離職率は48.4%という驚きの数字に達しています。

 

社風とは

社風とは、基本的にはその組織の人柄です。組織の価値観や将来の計画、職場環境、従業員への期待事項などの要素が含まれています。社内での服装だけでなく組織としてのカジュアル度、あるいは従業員同士の会話の口調といった事柄に影響することもあります。

例えば、法律事務所や会計事務所などの比較的伝統的な組織で働く場合は、きちんとした身なりとプロフェッショナルな振る舞い、上司や管理職に対する敬意ある態度を求められることになるでしょう。こうした組織の社風はそれ以外と比べてフォーマル寄りになります。

反対に、例えばテクノロジー企業やマーケティング会社などの比較的新しい業界で働く場合は、職場環境のカジュアル化の傾向が見られます。上司を同僚あるいは友人と同じように考えることができるかもしれません。このような組織の社風はどちらかと言えばざっくばらんで気軽、カジュアルな服装やオフィスでのゲーム、フレックスタイム制などの特権が認められていることも珍しくありません。

 

社風の影響

企業によっては、社風を重要な販促手段と考えています。要するに、この会社で働きませんかと説得するには、従業員がイキイキと過ごしている様子―例えば、ランチタイム、クラブ活動、金曜日の午後に開かれるオフィスカクテルパーティーなどみんなが楽しそうに笑っている写真を見せるのが一番ということです。現在のような状況であれば、リモート勤務を活用していたり、オンラインで交流する姿を紹介するのもいいかもしれません。

そしてこれはエンプロイヤーブランディングの話に行き着きます。もし、あなたの会社がすでに具体的なイメージを確立しているのであれば、内定者がそこになじめるかどうか結論を出すのはそれほど難しくはありません。わずらわしい妨げもなく仕事を済ませ、5時きっかりに退社できる職場を希望する人であれば、残業も厭わない類の会社は選ばない可能性が高いです。

企業倫理も検討されるポイントの一つです。企業としての価値観や標榜する姿勢を公表していますか? もしそれらが内定者の考えと一致しないのであれば、それは危険信号です。例えば、内定者がベジタリアンであるなら、食肉生産業のPRを請け負っている会社で気持ち良く働くことはできないでしょう。

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知識は力なり

求職者は、その組織になじめるかどうか、自分にとっての基準を把握して自分に適した会社に狙いを絞って求職活動を行っています。彼らは、企業の公式ソーシャルメディアやホームページを通じて社風を調べたり、あるいは面接の場で見極めています。自分に合う社風かどうかを知るために、面接で訪れた機会を利用しています。

そのため、企業側は、オフィスの雰囲気を気にする必要があります。互いに話をしたり、笑ったりしていますか?それともしんと静まりかえっていますか?周囲の人はどのような服装ですか?管理職専用のオフィスがありますか?それとも全員がオープンプランオフィスにいますか?求職者は、企業の社風が自分に合うか合わないかを知るために、いま挙げたようなこのようなポイントに注目しています。

ただし一つ留意点があります。カルチャーフィットはどちらの側にも働きます(英語サイト)。人材サービス系テクノロジー会社、Jobviteによると、カルチャーフィットは採用担当者の60%が採用時に最も重要視する観点です。従って、自社の社風に適した人材だと認識すると、採用する側としても、そのポジションの候補者と考える可能性が高まります。

 

社風は本当に重要?

社風の重要性は誇張してし過ぎることはありません。「グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド」レポート(Deloitte University Press)には、「その企業の社風とビジネス戦略とが明確に一致している場合、その社風に合うと思った人材が集まり、結果として仕事への積極性が高まる」と説明されています。

また、「社風こそがその企業の成功を決定づける要因である」、社風が持つ「成果との密接な関係性は人事やビジネス部門の幹部職でも失われることはない」との指摘もあり、このレポートの調査対象者の87%が社風は重要、54%がとても重要と答えています。

ただし、少々違った意見の会社もあります。ソーシャルメディア向けテクノロジー企業、Bufferは、「カルチャーフィット」ではなく、この会社が呼ぶところの「カルチャー貢献」をむしろ重要視すると説明しています。新しく採用した従業員がカルチャーになじむかどうかよりも、どんなプラスアルファをもたらすことが出来るかの方が重要な基準であるという考え方です。会社の新しい仲間が仕事に新しい視点をもたらせるかどうかに重きが置かれています。また、候補者と「具体的な価値観との合致性」にも注目しているそうです。

いずれにせよ、その会社の社風がどのようなものであれ、内定者たちは、オファーレターに返事をする前に、その会社で気持ち良く働けるか、自分が成長できるかを見極めているのです。

 

<出典>
本コラムは、ランスタッドのオリジナルコラム(英語版/English Ver.)「before saying yes to the job, make sure you know the company culture.」を企業側の視点に立って加筆・修正した内容となります。
 
 
 
 

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