ニューノーマルにふさわしい新しい働き方 ランスタッド株式会社が新しい働き方戦略を実行する企業を支援

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感染症の世界的拡大が人々の働き方をこれほど大きく変えるとは、12ヵ月前に誰が予測できたでしょうか。企業や求職者の考え方は、昨年から今年の間に大きく変わりました。

しかしオランダに本社を置く人材コンサルティング会社のランスタッドでは、新たな課題が生じた際には、迅速に新しい方法で対処することを重視してきました。

筆者:Toby Waters

※当記事は、EUROBIZ 2020年9月号に掲載されました英文記事を和訳したものです。本紙インタビュー記事は、ページ内参照よりご覧ください。

 

ランスタッド株式会社プロフェッショナル事業本部兼エンジニア事業本部 の事業本部長であるキャメロン・ブレットは次のように述べています。「日本の人材募集市場は、2019年と2020年第1四半期に過去最高となりました。現在、クライアントからの需要は減少傾向にあります。求職者側を見ると、現時点で雇用されている人々は転職を考えておらず、より保守的になっています。」

ランスタッド株式会社 最高人事責任者である金子久子は、企業がコロナウイルスによる状況の変化に適応していけば、それが永続的な改善につながると考えています。

「実際にCOVID-19は、すべてが終身雇用と年功序列というルールに基づいて決まる従来のメンバーシップ型雇用から、職務が重視され成果によって報酬が決まるジョブ型システムへの移行を大きく後押ししました」と金子は話しています。

コロナ禍の範囲と規模が明らかになった時点で、ランスタッドは新しい戦略と新しい働き方を見出し、実行しようとする企業をサポートする独自のグローバルイニシアチブ「#newways」をスタートさせました。

金子は次のように述べています。「ランスタッドはこの『#newways』イニシアチブを通じ、有意義なやり方でクライアント企業と緊密につながることができます。最も重要なのは、貴重な情報をクライアントと共有する代わりに、クライアントへの理解を深めることができるという点です。これを基に、安全性、効率、人材、ニューノーマル(新たな日常)、ソートリーダーシップという5つのテーマに沿ってコンテンツを提供します。」

ランスタッドは「#newways」イニシアチブの一環として、企業が急激な状況変化に適応できるよう支援する包括的なスキルアップサービスを提供しています。従業員が必要に応じて新しいスキルを獲得できるようにすることは、多くの場合、外部人材を探すよりも効率的であり、コスト効率も向上します。そしてこの方法は、窮地に陥った企業には特に有効です。

キャメロン・ブレットは次のように説明しています。「たとえば、社内でデータサイエンティストが必要になったとしましょう。会計機能をAIに置き換えることが可能なら、高い計算スキルや数学的スキルを身に着けた会計部門のスタッフに、新しいスキル習得の機会を与えればいいのです。そうすれば、こういった人々はデータサイエンティストとして別の部署で働き続けることができます。会計業務が消滅しても、他のジョブを創出できるのです。」

「#newways」イニシアチブは、単なるスキルアップのトレーニングではありません。コロナ危機の発生に際してランスタッドは、新たな、そして変化を続けるクライアントのニーズに応えるため、在宅勤務に特化した派遣サービス「おうち派遣」を開始しました。

「おうち派遣」は、これまでオフィス内だけで行うものだと考えられていた業務を在宅でできるようにするシステムです。派遣労働者に必要な柔軟性を提供するとともに、リモートワークに伴うリスクを軽減します。

「『おうち派遣』はコールセンターなどのクライアント企業から大きな注目を集めています」と金子は言います。「コールセンターでは多くの人が忙しく働いていますが、現状では密を避けなければなりません。在宅で働けるオペレーターを雇用すれば、フロアスペースを拡大せずに労働力を増やすことができます。」

これは全く新しいプロセスですが、ランスタッドはその効果に自信を持っています。なぜなら、ランスタッドがクライアントに推奨するのは、まさにランスタッド自身が実行し、大きな成功を収めてきた行動だからです。

「人事プロフェッショナル向けサービスの提供に取り組む組織として、私たちはクライアント企業へ助言する前に自身の課題と向き合う必要があります。自身の組織を振り返り、私たちがどのように人材を管理しているのか、物理的ワークスペースをどのように捉えているのかを問いかけなければなりませんでした」とキャメロン・ブレットは話しています。

ランスタッド株式会社の従業員は、コロナ以前より柔軟な働き方を活用することができました。コアタイムがなく、勤務時間を選ぶことができ、自分に最も合ったやり方で目標を達成することを奨励する仕組みを確立していました。

 

 

市場を牽引するグローバル企業であるランスタッド株式会社には、社会全体を2020年の落ち込みから回復させるために貢献できる大きなチャンスがあります。求職者にメンタルヘルスやストレスマネジメントなどのテーマでコンテンツを提供するのに加え、企業に対して有力情報やベストプラクティスを共有し、従業員体験を改善し企業の社会的責任を果たしていけるよう支援していく計画です。

キャメロン・ブレットは次のように述べています。「私たちは人材コンサルタント企業として、経済が再び成長に転じるようサポートする責任があると考えています。在宅勤務者のエンゲージメントをどのように維持するか、評価をどのように行うか、また危機時の意思決定をどのように長期的変化につなげていくかといったテーマで、重要なデジタルコンテンツを提供していきます。この活動が当社のクライアントだけでなく、社会の回復に広く影響を与えることを願っています。」

またランスタッド株式会社は、日本の労働環境における男女の格差軽減を優先課題の一つに定めています。この格差は以前から日本企業の弱点として指摘されていましたが、コロナ禍により、この6ヵ月間で問題がさらに浮き彫りになりました。ランスタッドはダイバーシティの推進を通じた取り組みを進めています。

キャメロン・ブレットは次のように話しています。「女性は男性よりも直接的にコロナの影響を受けてきました。また、従来より働く女性がすでに困難な状況に置かれているこの国では、コロナによってこれまで以上に男女格差を広げる結果となってしまいました。私たちは男女が平等な条件の下で働けるよう、また女性が男性と同じ機会を与えられる平等な労働環境を作れるよう、力を尽くしています。」

金子は、ランスタッドによるダイバーシティ推進の取り組みが、働く女性にどれほど力を与えてくれるのかを、身を以て知っています。金子は子育てのためにキャリアを中断した後、新たなスキルを習得し、ランスタッド株式会社で第二のキャリアを築く機会を得ることができました。そして今は、他の女性たちが同じように道を見つけられるよう支援したいと考えています。

「ライフイベントによるキャリア中断があったとしても、そのために自分のキャリアをあきらめる必要はないということを、女性に知ってほしいのです。女性は成功を手にすることができます」と金子は話しています。

私たちは誰もがニューノーマルに慣れなければなりません。そして企業には、職場環境や従業員の生活だけでなく、社会そのものを良い方向に導くことのできる新しい働き方の選択肢がいくつもあるのです。

 

 

参照:EUROBIZ September 2020 ”New ways for the new normal. Randstad Japan helps businesses implement new strategies for the workplace”

 

 

 

 

 

 

【プロフィール】

金子 久子(かねこ ひさこ)

ランスタッド株式会社 人事本部 取締役 兼 最高人事責任者(CHRO)

Investing in Japan - Randstad_September 2020 _Translation-1
1985年慶応大学卒、米国ジョージタウン大学交換留学。早稲田大学MBA(2016年主席卒業)
 
外資系銀行に就職、結婚後、障害のある長男の育児に専念するため専業主婦業を9年経験。
 
フリーランス通訳業に従事後、2004年アクサ生命に社内通訳者としてアクサ生命に入社。同社でダイバーシティマネージャー、人事能力開発部長、チーフ・ダイバーシティ・オフィサーを歴任。アクサ損害保険に転籍、チーフHRオフィサーに着任。
 
2019年にランスタッド入社、取締役兼CHROに就任。日本ブラインドサッカー協会副理事長。
 
これまでに、フリーランス、アルバイト、派遣社員、契約社員、NPO監事・理事、正社員、会社役員を経験。
 

 

Cameron Brett (キャメロン・ブレット)

プロフェッショナル事業本部 兼 エンジニア事業本部 事業本部長

カナダのクイーンズ大学を卒業後、2002年に来日。
 
大阪において日系のブティック型リクルート会社へ就職。日系や米国系リクルート会社においてライフ・サイエンス業界を専門として担当。
 
転職支援事業の立ち上げを目的とし、2014年にランスタッド入社。現在、ランスタッドのプロフェッショナル事業本部及びエンジニア事業本部を管轄。一橋ICS MBA。

 

 

 

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