従業員のスキリング、リスキリング、アップスキリング

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世界は時に、未曾有のスピードで変化しているように見えます。毎週のように新しい技術やアプリ、トレンド、あるいは働き方が現れ、それ以前のものは時代遅れになります。

ましてや、現在のコロナ禍において、企業はあらゆる変化に備える必要があると言えます。

これまで企業は、今後業界にどのような変化が起きるかを察し、それに対応するために、従来利用してきたスキルと異なるスキルが必要となる場合は、新たな人材を採用してきました。しかし、今や多くの業界にとってそれが不可能になっています。進化のペースが非常に速いため、従来のアプローチでは、頻繁に採用を実施することになり、実務に支障を来してしまいます。そもそも、コロナ禍で業績が不安定な中で採用にコストをかけることが難しい上に、各企業が求めるような「新しいスキル」を持った人材の獲得は、熾烈な競争となることが予想されます。実際に、有能な人材の獲得に苦戦している企業も多いことでしょう。

では、この急激な変化と困難の時代を泳ぎ切るために、企業は何をすればよいのでしょうか。一つのアプローチとして、「スキリング」(スキルの習得)、「リスキリング」(再訓練)、「アップスキリング」(スキルの向上)を中心に、従業員の専門性やスキルを柔軟に扱うことが考えられます。このアプローチにより、新たな人材を雇うことなく、現在就業している従業員のスキルを底上げし、今日企業が直面する課題により適切に対処することができるでしょう。

 

「スキリング(スキルの習得)」

スキルのギャップは世界のさまざまな業界が直面している問題です。フランスのIT・電子機器業界では、2020年までに8万人の労働者が不足し、米国ではデータサイエンティストが25万人不足すると推定されています。英国では、新規雇用のうち約90%で基本的なデジタルスキルが必要とされているにもかかわらず、そのスキルを持っていない人の割合が23%に達しています。

では、どうするのが正解なのでしょうか。例えば、社内の既存の従業員にスキルを習得させるという方法もあります。その結果、専門家を探す必要がなくなるだけでなく、従業員にとっても自己開発ができるというメリットが生まれ、会社にとどまる動機になります。

しかしそのためには、採用に対するアプローチを変える必要があります。熱心さや学習能力などの資質に着目し、スキルの伸びしろがありそうな人物を中心に採用するのです。今後、一流のスキルを備えた人材がますます不足し、獲得する難易度も高まるであろうことを考えると、今後の採用活動においては、これが一番実用的な解決策かもしれません。

 

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「リスキリング(再訓練)」

テクノロジーの進化やデジタル化につれて、有用性が失われていく仕事もあれば、突如として重要性が高まる仕事もあります。例えば仮想通貨の急激な台頭とともに、関連業務も急増しましたが、それらはすでに衰退しつつあります。企業では、最近注目されるようになったばかりの技術を扱う人員の採用が難しくなってきています。

この問題を回避する一つの方法として、リスキリング(再訓練)方針の導入が挙げられます。有能な従業員であっても、彼らの専門分野が企業にとってあまり重要ではなくなってきている場合、彼らが次の活躍の場を見つけて現在の職場を去るまでひたすら待ち、その後新たな人材を採用するといった方法は好ましくありません。それよりも、そうした従業員に再教育を行い、自社で新たなスキルが必要とされるポジションで彼らの能力を活かしてもらう方が、時間の面でもコストの面でもはるかに得策です。従業員にとっても、雇用が継続されながら新しいスキルを手にすることが出来て、双方にとってメリットのあることと言えるでしょう。

仮想通貨の例で言うと、仮想通貨そのものの勢いは衰えつつあるかもしれませんが、ブロックチェーン(仮想通貨と密接な関連を持つ技術)は、まだ目新しいテクノロジーであると言えます。仮想通貨を担当する従業員にとって、ブロックチェーンを扱うために必要なスキルの習得は容易であり、それは会社にとっても、人材基盤の強化に他なりません。

 

「アップスキリング(スキルの向上)」

もう一つ、企業が準備しておくべきこととして、アップスキリング(スキルの向上)*1があります。根本的に仕事の内容が変わるリスキリングとは異なり、アップスキリングでは職務内容は変わらずにトレーニングだけが行われます。

アップスキリングが必要な理由はいくつかありますが、最大の理由としては、企業がスキリングとリスキリングの必要性に対処するためには、有能な経営陣が不可欠であることが挙げられます。テクノロジーだけでなく、コロナ禍という未曾有の事態によって、我々のビジネス環境はめまぐるしく変化しています。このような状況下において、企業として生き抜いていくためには、最も大きな潜在能力を秘めた従業員を特定し、リーダーとして育てていくことが不可欠です。

このような時代だからこそ、あらためて社内に目を向け、今すぐそこにいる有能な人材を見極め、彼らが育っていくために必要なあらゆるトレーニング提供することが大切なのです。

 

(ランスタッドグローバルのサイトにリンクします)
 
 
ランスタッドシンガポールがまとめたガイドラインです。P8~12に掛けて、本コラムに関係する内容が記載されています。全体を通して、リモートワークであっても、従業員と最善の関係を築くためのヒントとアイデアを雇用主や人事担当者に提供する内容となっております。ぜひ、ご活用ください。

 

 

<出典>
本コラムは、ランスタッドのオリジナルコラム
「skilling, reskilling and upskilling.」に加筆・修正した内容となります。
 
 
 
 

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