在宅勤務に代表される「新しい働き方」で企業が得られるメリット

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全米産業審議会による最近の調査*1では、現在、世界のCEOは「最高の人材を確保し、定着させることが難しい」ということが最大の懸念事項であると考えています。

コロナ禍による買い手市場においても、優秀な人材をめぐって熾烈な競争がより一層繰り広げられる中、求職者の多くがこれまでとは違い、在宅勤務や完全フレックスタイム制といった「新しい働き方」での就業を望んでいます。従業員の健康と安全の確保のためであるのはもちろんのこと、優秀な人材を惹きつけ、彼らの意欲を高めるためにも、「新しい働き方」を導入する企業が増えています。

 

新しい働き方の利点

代表的な例として、在宅勤務(常時/随時)、フレックスタイム、パートタイム、フリーランスなどが挙げられます。こうした就業形態を効果的に導入することにより、企業には次のようなメリットがあります。

<新しい働き方を取り入れることによる企業のメリット>

  • 企業はより多くの人材を確保することができます。少し前の調査ではありますが、米フレックスジョブズ社の年次調査(2017年)*2によると、回答者の81%が「常時」在宅勤務を、70%がフレックスタイムを、46%が「随時」在宅勤務を、そして46%がパートタイムを希望すると答えていました。このコロナ禍において、より一層この傾向は高まっていることでしょう。

  • 企業はより幅広い層からの採用が可能となります。人々の在宅勤務志向が強まっているため、企業は地理的制約を受けずに採用活動を行うことができます。今やグローバル企業においては、さまざまな地域、国から人材を調達することができますし、日本国内でも会社の所在地と住んでいるところが全く違う場所であっても働くことができるようになりつつあります。*3

    また、パートタイムまたはフレックスタイム、あるいはフリーランスでの勤務を希望する候補者を視野に入れることにより、例えば子育て中のためフルタイムで働くことができない、または希望しない人材、もしくはプロジェクト単位で働きたいと考えている人材にも声を掛けることができます。

  • 在宅勤務のおかげで、間接費を大幅に削減することができます。不動産・設備に関する費用や、電気代などオフィスの維持に伴う費用負担が、はるかに少なくなります。

  • 在宅勤務者は、これまで通勤に費やしてきた時間に働いてもいいと考えています。さらに、一部の調査によると、在宅勤務またはフレックスタイム制で働く代わりに、福利厚生費の一部または昇給を辞退しても構わないと考える人々がいることがわかりました。従業員が時間を有効に使えるだけでなく、企業のコスト削減に繋がる可能性があるのです。

  • 従業員の満足度や意欲が高まります。幸福度が増すことにより、従業員エンゲージメントや生産性が向上します。

 

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人材活用のもたらす可能性を最大限に引き出す

しかし、新しい働き方を導入すると言うのは簡単ですが、実際に運用していくのは容易ではありません。現在も試行錯誤しながら導入し、続けている企業も多いことでしょう。

在宅勤務については、リモートワークの持つ様々な側面を十分に理解することが重要です。リモートワークに従事する従業員、外部の請負業者、さらには実際に顔を合わせることなくチーム全体を管理するには、さまざまなテクニックやアプローチを駆使する必要があります。*4 また、どこで働くにせよ、従業員に対しての明確なキャリアパスが必要です。つまり企業には、効率的な評価制度と、キャリアガイダンスの効果的な提供方法を整備することが求められるのです。

在宅勤務には、強固なITプラットフォームも欠かせません。それは、業務に必要な機能を提供することはもちろん、シームレスなリモートアクセスや、オンラインでの従業員同士のコミュニケーションを可能にするプラットフォームでなければなりません。また、サイバー犯罪者などの外的脅威や、従業員のコンプライアンス違反といった内的脅威からデータを保護するため、セキュリティがしっかりしたプラットフォームであることも重要です。これを実現するには、高度なサイバー・セキュリティ・ソフトウェアが必要です。さらには、会社全体のセキュリティポリシーを整備・適用し、従業員もこれをよく理解することが重要になります。

在宅勤務やフリーランスなどの就業形態の場合、複数の地域にまたがる人材の調達や契約が可能であるため、企業にとっては必要な人材をどこで見つけるかが重要になってきます。例えば、LinkedInは、世界のプロフェッショナル人材に関するものとしては最大のデータベースを提供しています。特に正社員の採用を検討している場合は、ここから始めるのもよいでしょう。また、適切なスキルを持った適切な人材を見つけるのに役立つ、幅広い支店ネットワークを持ったグローバルな人材サービス会社もいくつかあります。こうしたネットワークは、諸外国の労働法規の理解が必要な企業の手助けにもなります。

さらに、「ギグワーク」という形態で働きたい人と雇用主とを結びつけるクラウドベースのプラットフォームが近年増加しており、「UpWork」や「WeWork」、日本国内では「ランサーズ」などがよく知られています。いずれも幅広いスキル領域を対象としていますが、IT、設計、プロジェクト管理、執筆など、特定の領域のみに焦点を絞った専用プラットフォームもあるので、ニーズによって使い分けるのもおすすめです。

最後にもう一つ重要な点として、新しい働き方の制度が円滑にかつ有効に運用されるように各企業はベストプラクティスの共有とベンチマークをシステムとして確立する必要があります。企業は、効率化の促進、コンプライアンスの徹底、コストの削減、そしてエンゲージメントと人材の質の向上を図るために、明確なKPIに照らして新たな制度を評価していくことが求められるのです。

 

ニューノーマルと呼ばれる時代において、完全在宅勤務やギグワークなど「新しい働き方」を取り入れる組織は増加しています。コロナ禍を逆手にとり、時代の潮流に乗れた企業ほど、自社が必要とする一流の人材を獲得できる可能性が非常に高いといえるでしょう。

 

 

*1 C-Suite Challenge™ 2020: Collaborating to Compete (外部サイトへリンクします)

*2 米フレックスジョブズ社の年次調査(2017年)(外部サイトへリンクします)

*3 ランスタッド・ジャパンでは2020年5月より在宅に特化した派遣サービス「おうち派遣」を導入しています。

*4 【ランスタッドCPOが語る未来型組織のつくり方】 第1回 コロナ禍がもたらした「名ばかり在宅勤務」への処方箋

<出典>

本コラムは、ランスタッドのオリジナルコラム

「why_its_essential_for_organizations_to_look_at_alternative_work_arrangements」に加筆・修正した内容となります。

 

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