服装・身だしなみの自由は「自主性確立」の第一歩。今こそ従来の規則を変えていくチャンス

服装・身だしなみの自由は「自主性確立」の第一歩。今こそ従来の規則を変えていくチャンス

この記事のURLをコピーする

AdobeStock_103566386

今、ビジネスシーンにおける「服装・身だしなみ」の捉え方が大きく変わりつつあります。今年の夏、あるメディアの報道で「女性のメガネ着用が禁止されている職場」が取り上げられ、話題となりました。メガネだけではなく、ハイヒール・制服やスーツの着用が義務づけられていたり、厳しい服装規定を定めていたりする会社もあるでしょう。これからの時代、服装や身だしなみに関するさまざまなルールと、企業はどう向き合っていくべきなのでしょうか。

 

広がる「服装自由化」の流れ。企業側の意図とは?

「職場でヒールの高いパンプスを強要されるのはおかしい」「制服はスカートでなくてもいいのではないか」「就活時の髪型はもっと自由でもいい」ーー。

 

近年、これまで当たり前のこととして続いてきたビジネス上の習慣に対し、変革を促す動きが広まっています。メディアやSNS上などで、さまざまな意見が飛び交うのを目にしている方も多いのではないでしょうか? 

 

女性や若年層を中心とした働き手側からの問題提起が起こると同時に、企業の中でも、「脱スーツ化」「服装自由化」などを積極的に推進する事例が増えています。

 

例えば三井住友銀行では、2019年7月から8月にかけて、自由な服装選択を可能とした「ドレスコードフリー」施策を、一部従業員に対して試験的に実施。その後、9月から正式に導入されました。三井住友銀行は、その目的を「前例や常識に囚われず新しいことにチャレンジし易い環境をつくること」と発表しています。

参考:三井住友銀行 ニュースリリース(2019/9/1)

 

また携帯電話大手のKDDIも、2019年11月に「全社一律ドレスコードの廃止」を発表しました。「従来の固定観念にとらわれず、新しい発想・新しい価値観での業務遂行を浸透させるため」を理由として挙げています。

参考:KDDI ニュースリリース(2019/11/6)

 

実はランスタッドでも、2018年に社内有志メンバーにより服装の自由化が提案され、正式に制度化されました。以前は男性はスーツ、女性はスーツやオフィスカジュアルが大半でしたが、今では服装は完全に個人の判断に委ねられています。

 

このように服装や身だしなみに関する規定を撤廃することに対し、疑問や懸念を抱いている方もいるかもしれません。

「スーツや制服着用を義務付けた方が、従業員も楽なのではないか」

「服装規定をなくして自由にしてしまったら、社内の規律が乱れるのでは」

「本当に、規定の撤廃によって職場環境が良い方向に変わるのか」

 

確かに一見すると、「服装の自由」は働く側の権利として主張され、企業としては、受け入れる理由を感じにくいでしょう。ではなぜ今、多くの企業がこうして「服装規定の撤廃」に動きはじめているのでしょうか。

 

会社による規制」を変えて、個人の自立を促していく

規律やルールによって“従業員を統制する”という考え方を一度取り払い、少し視点を変えて考えてみましょう。

 

服装が細かく規定されていて、毎日決まった服装で仕事をしていればいい……という環境は、本人から「自分でものごとを考える習慣」を奪ってしまっているともいえます。

 

TPOに合わせた服装を自分で選択できること。訪問する場所や会う相手に応じ、自分の行動について自分自身で考えて判断し、責任を持てること。一つひとつは「些細なこと」と思われるかもしれません。しかし従業員に自立した行動をしてほしいと考えるならば、身の回りの小さなことから、自ら考える機会をつくっていくことが効果的ではないでしょうか?

 

「これまでの固定観念にとらわれない、自由な発想が出来る人」

「自ら課題を見つけ、失敗を恐れずにチャレンジ出来る人」

——おそらく多くの企業で、そうした人材を強く求めていると思います。

 

これからの未来を担う若く優秀な人たちを惹きつけ、自立した人材として組織内で十分に活躍してもらうためにも、まずは社内環境を変えていく必要があるのです。

 

 

世界的な流れは「これまでの常識」を打破するチャンス

先にご紹介した国内大手企業2社のリリースからもわかるように、現在のビジネスシーンでは、先入観や前例・これまでの習慣などにとらわれないチャレンジ、イノベーティブな思考が不可欠となっています。

 

欧米の先進企業、GAFA(Google/Amazon/Facebook/Apple)等では、カジュアルな服装で自由に働く従業員の姿が日常の風景です。GAFA各社が、市場に先進的なイノベーションをもたらしていることは、改めて説明するまでもないでしょう。

 

若者を中心とした働き手も、働く環境を選ぶ上で、社内規定などから組織のカルチャーをよく見るようになっています。服装自由化に対するスタンスは、今後ますます、若年層や優秀な人材の採用に大きな影響を及ぼすことになるはずです。

 

服装や身だしなみのルールや規制を、採用や外部環境を踏まえた上で見直す。今こそ組織文化を変えていくチャンスと捉え、変革の舵を切ってみてはいかがでしょうか。